4月10日 2024

AIの革命: 適応型テストが言語能力の測定方法を変える

EF SET 職場の AI 言語評価

AIの革命は、ビジネスや社会のあらゆる分野で波を起こしていることは誰しもが否定できないでしょう。画像生成からコンテンツ生成、ユーザー行動の分析まで、分析ができるほどの適切な質と量のデータがあればAIにできないことはほぼないと言っても過言ではありません。

しかし、人口統計のように数値化しやすいデータもあれば、言語能力のように数値化しにくいデータも存在します。そもそも言語能力は、対象の言語によって機能が異なるため、独自の測定方法が必要となります。さらに「流暢さ」の理解は話者の置かれた場所や文脈によって異なります。要するに、それぞれの話者の言語レベルを正確に測定するのは簡単なことではないのです。

では、なぜこの簡単ではない言語レベルの測定が企業として重要で、AIとどのような関係性を持たせるのでしょうか?

英語力という一見 優先順位を下げがちな要素、それこそがチャンスを左右する

コミュニケーション能力(特に英語)は、旅行先での活用以上に重要な要素になっています。グローバル企業の85%が英語を公用語としており、英語力の低い従業員の3/4近くが業務への参画に制限を感じているというデータがあります。

つまり、このような状況下で自身の英語力を立証することは極めて重要なのです。立証するものがなければ、本来持っている英語力に対する自信喪失や思い込みに陥ってしまう危険性があります。そこで重要な役割を果たすのが正確で偏見のない言語力の評価基準となります。

AIを活用した言語評価でKPIを標準化する

従来の言語習熟度を測る方法は主に人間の教師か、選択式の質問に対して回答する機械的判断が一般的でした。特にスピーキングに関しては、常に人間が話し手の熟練度を判断する必要があるのです。当然ながら、この方法は教師の判断に委ねられてしまうため、基準のずれが生じてしまう可能性があります。

AIが言語評価の一部となったことで、英語話者はヒューマンエラーやバイアスに左右されることなく、リーディング、ライティング、スピーキング、リスニングの4つの言語スキルすべてを受講することができるようになります。グローバルで使われている膨大なパターンのスピーキングデータセットを活用することで、AIはバイアスが入った主観的な分析を最小限に抑えることが可能になります。AIは話者の測定レベルに合わせてテストを適応させるだけで、ニュアンスの異なる話し言葉も含め、正確さと理解度に基づいて評価します。

また、ネット環境が整備されている環境であれば誰でも受験を行え、認定証を獲得することができるため、受験担当者が不在の環境でもアクセスができるだけでなく、人間による評価よりも早く、かつ正確性と一貫性を提供することが実現します。テスト終了後、数分で証明書が発行されるため、受験者は通常かかる時間の数分の一で能力を証明することが可能になります。つまりAIの価値を様々な局面で感じることができます。

人口統計をより細部まで理解するAI

上記のことを元に、企業や政府にとってこのAIの革命は何を意味するのでしょうか?

言語能力は、従業員に対して多くのことを理解することができます。人口統計データとAIを活用した正確な英語能力データをマッピングすることで、組織のリーダーは、従業員の傾向について、より高い知識を得ることができます。例えば、当社の英語力テストでは、世界規模で男女間の英語力格差が拡大しており、近年は特に女性の英語力が著しく低下していることが明らかになっています。このようなデータは、教育へのアクセスや文化の変化が、実用的なスキルや機会にどのような影響を及ぼしているかを理解する上で貴重なものなのです。

AIを活用すれば、このようなデータをリアルタイムかつ簡単に収集することが可能になります。個人で英語がチームにどのような影響を与えているかを理解することは、そう簡単に行えるものではありません。AIには、組織におけるコミュニケーションとインクルージョンの課題を健在化し、重要な点として、それを解決するインサイトを提供する力があります。

言語テストとAIのこれから

言語学習の領域もAIによってより早く前進するとはいえ、認定可能なテストが認知され、価値を持つには、まだ正式な仕組みが必要となります。しかし、当社のHyperclassのようなバーチャルクラスルームでは、AIがライブクラスのインフォーマルな環境下でデータを収集し、そのデータをリアルタイムで分析する環境はすでに整ってきています。受講者がどのくらい話すか、語彙数、全体的な正確さなど、教師だけでは得ることが難しいインサイトをAIが担うことで、継続的な「AI評価」がオンライン言語学習ですでに行われています。

これらのテスト技法は、受講者、教師、組織のトレーニングマネージャーの関係者全員に価値を提供することが可能です。規模に応じた確実的な一貫性と正確性を目指すにはAI主導の4技能テストは必要不可欠となるでしょう。