2026年7月9日

従業員が率直に意見を述べ、従来のやり方に異議を唱え、斬新なアイデアを提案するためには何が必要でしょうか?多くの人が「心理的安全性」が鍵だと主張していますが、「率直に意見を述べる」ことを奨励する取り組みを行っている組織であっても、従業員は依然として自分の意見を表明するのに苦労していると報告されています。
これは、Hult Ashridge Executive Educationでリーダーシップを教えるMegan Reitz教授が、当社の年次Global Summitで語った内容です。Reitz氏は、社員が声を上げられない理由について説得力のある説明を示しています。それは単なる「勇気」の問題ではなく、「習慣」「権力」「認識」「言語」の問題である、というのです。
Reitz氏はこう説明します。
「私たちが何を語り、何を語らないか、誰の意見に耳を傾け、誰の影響を受け、誰の影響を受けないか――これらすべてが、チームや組織における私たちの生活を決定づけるのです。」
コミュニケーションと信頼によって生み出されるこうした見えない力は、多くの場合気づかれることも過小評価されることもないまま、企業文化全体を形作っています。
では、なぜ「率直に意見を述べる」という文化を築くことがこれほど難しいのでしょうか?
声を上げることは、心地よいことではない
心理的安全性について最も根強い誤解の一つは、それが「心地よさ」をもたらすというものです。しかし実際には、心理的に安全なチームほど、最も居心地の悪い会話をしているとReitz氏は指摘します。互いに異議を唱え合い、意見をぶつけ合い、難しい真実を表面化させているのです。
問題は、声を上げることにはリスクが伴うという点です。社員は、懸念を口にしたり権威に異議を唱えたりすることの結果を、慎重に見極めています。
Reitz氏は、初期の研究で得た印象的なエピソードを紹介しています。ある上級リーダーが「若手社員がもっと声を上げるべきだ」と不満をこぼしたとき、社員たちの答えは即座に返ってきました。「前にここで声を上げた人は、いなくなりましたから」
教訓は明らかです。多くの組織は、社員がもっと自信を持って発言できるよう支援することに注力する一方で、より本質的な問い——そもそもなぜ発言するのにこれほどの勇気が必要なのか——を見落としているのです。
心理的安全性は、単に自信を後押しすることで築かれるものではありません。声を上げることに伴う、実際の、あるいは認識上のリスクを減らすことによって初めて生まれるものなのです。
声を上げても、何も変わらないかもしれない
とはいえ、沈黙は必ずしも恐れから生まれるわけではない、とReitz氏は補足します。人は経験から素早く学ぶものであり、過去に提案や懸念、異議が無視され続けてきたなら、声を上げることの価値そのものが薄れていきます。
多くの組織は、リーダーがフィードバックを求めながらも、その後の対応を怠ることで、意図せずこの力学を生み出してしまっているとReitz氏は警鐘を鳴らします。社員にとっては、発言を促されること自体よりも、その後の対応の質のほうがはるかに重要なのです。
文化変革を設計するリーダーにとって重要なのは、声を上げることは全体の半分に過ぎないという事実です。もう半分は、積極的に耳を傾けること——そしてその先の行動計画です。
私たちは皆、自分の「聞く力」を過大評価している
Reitz氏が指摘するもう一つの問題は、私たちが自分自身をどう見ているかと、他者からどう見られているかの間にあるギャップです。
社員は一貫して、上級リーダーは本人が思っているほどには話を聞く姿勢を持っていない、と報告しています。一方で、ほとんど誰もが自分自身の「聞く力」は高いと評価しています。
「私たちは自分自身を『意図』で評価し、他者を『行動』で評価しているのです」とReitz氏は説明します。

これは文化変革にとって大きな障害となります。なぜなら、問題への「気づき」そのものが、その人の役職の高さに左右されてしまうからです。
Reitz氏はこれを「advantage blindness(アドバンテージ・ブラインドネス)」、あるいは「楽観のバブル」と呼びます。地位、影響力、組織内での権力を持つ人ほど、自分は「話しかけやすい人間だ」と本気で信じ込みがちで、実際にどれだけ自由に周囲が発言できているか、そして自分自身がどれだけ効果的に聞けているかを、過大評価してしまう傾向があるのです。
組織にとってこれが意味するのは、心理的安全性はリーダーの「意図」だけでは測れないということです。社員の「実体験」を通して理解される必要があります。
「習慣を変えることを妨げる最大の要因の一つは、私たちが常に『誰か他の人がやってくれるだろう』と待ってしまっていることです。そして、周りの人も全く同じことを考えているのです」
声を上げるには、言語スキルが必要
グローバル企業では、多くの社員が第二言語、あるいは第三言語で働いているため、「安全だと感じられるかどうか」よりも「話す力そのもの」が優先されてしまうことがよくあります。重要な洞察を持っていても、言語への自信のなさから、それを口にできない社員がいます。特に、過去に自分の語学力が壁になった経験がある場合はなおさらです。Reitz氏の研究に協力したある上級マネージャーはこう認めています。
「強い訛りのある英語を話す人、特に英語力そのものが低い人の話を理解するのは(したがって耳を傾けるのも)難しいと感じます。」
こうした場面では、リーダーが意図せずして問題を悪化させてしまうことがある、とReitz氏は指摘します。
「もし誰かが不安な気持ちのまま、うまく声を上げられなかったとしても、その直後の数秒間であなたが[リーダーとして]どう反応するかが、その人が次にまた声を上げるかどうかを左右するのです」
つまり、言語とは単なるコミュニケーションの道具ではなく、「声」そのものを可能にする手段なのです。声を上げる文化を築くには、参加を可能にするコミュニケーション能力への投資が欠かせません。
解決策は「スペーシャスネス(ゆとり)」をつくること
心理的安全性には言語的な問題があるだけでなく、時間的な問題もあります。
現代の組織は容赦ないスピードで運営されており、スケジュールは埋まり、会議は立て続けに行われ、注意力は分散しています。こうした状況下では、有意義な対話が稀なものになりかねません。
Reitz氏が提案する解決策は、彼女が「スペーシャスネス」と呼ぶもの——つまり、意図的に「内省のための余白」をつくることです。スペーシャスネスとは、人々が効果的に考え、耳を傾け、貢献できる条件を整えることを指します。
「スペーシャスネス」は、リーダー自身が自分の振る舞いをより意識するよう促し、組織には多様な声が届く環境をつくることを促します。これには、リーダーが恐れを減らし、成果を示し、自らの偏見に向き合い、人々が自信を持って発言できるよう言語スキルを備えさせる、といった行動が求められます。
結局のところ、発言権を持つということは、単に言いたいことがあるということだけではありません。それを言うための自信、能力、そして機会を持つことなのです。
「あなたが[リーダーとして]どう振る舞うかは、周囲の人々の『声』に影響を与えます。これは、重大な責任なのです」
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